【第12次応募作品】
おばあちゃん、あなたの月命日のたび
僕はあなたの両の掌に頬を包まれます
たゆたうお線香の煙に焚き染められながら
〈まあまあ・神奈川県・53才・男性〉からの投稿
毎月二十二日は祖母の月命日。墓参りに行かないときは自分の家でお線香をあげます。祖母は会うたびに顔をくしゃくしゃにしながら、両方の掌で私の頬を包んでくれました。三十歳を過ぎてもそうでした。「お前、また少し背が伸びたんじゃないかい」などと言いながら。今でも線香をあげるたびに、祖母の掌の感触が蘇ります。
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