【第18次応募作品】
話しかける相手のいなかった仏壇に
父と子が納まってからは言の葉溢れ
二人は今や、我が家イチの事情通
〈みやぎ・東京都・38才・女性〉からの投稿
父は信心深く、父にならって仏壇に手を合わせる習慣はありましたが、祖父母も知らない私は一体何を語り掛ければいいのか分からずにいました。なので、お線香に火を灯し、手を合わせ目を閉じるだけの「形だけ」とりつくろって祈りの時間を過ごしていました。\r\n そして数年前に、父と子を亡くしました。それからしばらくの記憶が無く、何年前に他界したのか分かりません。しかし、気付けば仏壇にお線香をたいて、何時間も、何時間も話しかける私が居ました。\r\n 話しても、話しても、話尽きる事が無く、仏壇の前で過ごす時間がわたしの心が一番、凪いでいる大切な時間です。
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