【第16次応募作品】
もういいんだよ、と坂を下った飼い猫へ
私は鼻歌唄い、目が覚めたなら固くなってた
それから十年線香あげる、雪が解けるまで
〈小篠 真琴・北海道・42才・男性〉からの投稿
病気で苦しんでいた飼い猫に、何気なく本を読みながら「もういいんだよ」と言ってしまいました。そしたら翌朝、目が覚めたら死んでいました。動物が人間の言葉を理解していると分かった実際の体験です。それから何年たっても、申し訳ないことをしたと思っています。生きようと頑張っている者に、軽々しく命を諦めさせる言葉をかけてしまいました。十年、いやこれからも自分の納得いくまで線香を捧げたいと思います。僕の罪滅ぼしです。
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