グリーフを抱えた人たち同士がお互いの体験、気持ちを語り合い、分かち合う場があります。自助グループやサポートグループ、遺族会、分かち合いの会など、主宰が遺族自身だったり、カウンセラーなどの専門職だったり、名称や形はいろいろです。例えば、子どもを亡くした親同士、犯罪被害者の遺族、がん患者の遺族、ペットロスに苦しむ人など、置かれた状況の共通性によって参加者をある程度、わける場合もあります。参加者は語り合いを通じて、「ひとりではない」ことを感じ、回復の支えになるといわれます。
有名な団体としては「生と死を考える会」「東京・生と死を考える会」などがあります。
いわれない社会的偏見にさらされることがある自死者の遺族に関しては、国が「自殺対策基本法」を策定して支援を明確にし、相談窓口設置など公的な取り組みが広がっていることに特長があります。遺族自らも「全国自死遺族連絡会」をつくってグリーフケアを支えています。
遺族と接する機会の多い葬儀社においては、遺族の悩み事を聴く専用電話の開設や遺族同士の交流会、専門家による講演会の開催などの社会貢献活動が広がりつつあります。また近年では、遺族の相談会や旅行会などを通じて立ち直りを支援するNPO法人の活動も活発化しています。
グリーフとグリーフケアについて体系立てて学ぶ場としては、上智大学グリーフケア研究所があります。グリーフケアの実践に携わる人材の養成を掲げた「グリーフケア認定課程」には基礎コースと臨床コースがあり、それぞれ2年間かけて理論から実践までを幅広く学びます。一般向けにも公開講座を開いています。また、上智大学は2016年度、大学院修士課程に「実践宗教学研究科死生学専攻」を開きました。ここでもグリーフに関する学びや研究がなされています。
その他、NPOや一般社団法人などいろいろな団体が、時には独自の「資格」取得ができることをうたい文句にして講習会などを開いています。医療関係者向けだったり、葬儀業界関連向けだったり、特色は様々です。利用の際には、ご自身の目的に合った活動内容なのか、信頼できるのかといったことを調べた上で選ぶことが大切です。